平成15年度容器包装リサイクル法に基づく市町村の分別収集及び再商品化の実績について(概要)
平成16年8月25日(水) <照会先> 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 企画課リサイクル推進室 室長 藤井 康弘 (内線6831) 室長補佐 松浦 明 (内線6853) 係長 森本栄一郎(内線6837) (直通電話 03-5501-3153) |
環境省では都道府県を通じて、平成15年度において容器包装リサイクル法に基づき分別収集を実施した市町村の分別収集量、再商品化量等を調査した。 |
1.平成15年度の実績と傾向
- 平成15年度における実施状況をみると、分別収集を実施する市町村数は前年度に比べ、スチール缶、アルミ缶を除き注)、着実に増加している。また、分別収集量、再商品化量についても、消費重量の減少等により減少したスチー ル缶、アルミ缶を除き、すべての対象品目において増加しており、制度の浸透、定着が図られている。
注)スチール缶、アルミ缶については市町村合併により、減少した実施市町村数が新たに分別収集を開始した市町村数を上回ったことにより、実施市町村数が減少した。環境省野生生物課外来生物対策室にて配布 - ペットボトルについては分別収集量は前年度比で約1.1倍であり、回収率(市町村の分別収集量/生産量)は48.5%となり、年々着実な伸びを見せている。ペットボトルの生産量と分別収集量の差をもって廃棄量注)の動向を推し量るならば平成15年度においては生産量が対前年比で約6%の伸びがみられる中、その廃棄量は平成10年度時点を約9千トン下回る水準まで減少している。
→ 参考1
注)市町村が行うペットボトルの分別収集以外に事業者による自主的な回収も行われているが、ここでは市町村が、分別収集した量との差のみにより推計したものである。PETボトルリサイクル推進協議会の調査によれば、平成15年度における事業者による回収量は約54千トン(回収率は60.9%)であり、これも含めて試算すると廃棄量は約171千トンとなり、平成9年度時点を約26千トン下回る水準まで減少している。 - 平成12年4月から新たに対象品目として追加されたペットボトル以外のプラスチック製容器包装及び紙製容器包装については施行4年目を迎えたが、その分別収集量はプラスチック製容器包装が前年度比で約1.4倍、紙製容器包装が約1.3倍と引き続き大きな伸びを示している。
2.今後の見通しと課題
- 市町村における分別収集計画は5年を一期とし、3年ごとに見直すこととされており、平成14年度には法施行後2度目の見直しが行われたところであるが、平成15年度を初年度とする平成19年度までの分別収集計画注)によれば、今後の5年間に分別収集に取り組む市町村数は3,231(全市町村の99.7%)に上り、ほとんどすべての市町村がいずれかの容器包装廃棄物の分別収集を行う見込みである。
→ 参考2
注)平成17年度中に平成18年度を初年度とする平成22年度までの第4期分別収集計画を作成することとなる。 - また、平成12年度から取り組みが始まったペットボトル以外のプラスチック製容器包装についても、平成19年度までには全市町村の8割を超える約2,700市町村が分別収集に取り組み、その収集計画量は92万トンを超える見込みである。
- 一方、再商品化計画についても平成14年度において見直しが行われたところであり、基本的に再商品化施設の能力は分別収集計画量に対し、十分な整備が図られることが見込まれている。
→ 参考3 - 今後は再商品化体制の整備も踏まえつつ、分別収集計画に沿って、分別収集実施市町村数でみるとまだ6割に達していないプラスチック製容器包装等を中心に、容器包装廃棄物の分別収集、再商品化を一層推進していく必要がある。
表1 平成15年度における容器包装廃棄物の分別収集量、再商品化量及び分別収集実施市町村数
品目名 | 分別収集量 | 再商品化量 | 分別収集実施市町村数等 | |||
年間分別 収集見込量 (トン) |
年間分別 収集量 (トン) |
年間 再商品化量 (トン) |
実施 市町村数 |
全市町村に 対する実施率 (%) |
人口 カバー率 (%) |
|
無色のガラス製 容器 |
431,395 | 356,977 (1.02倍) |
345,208 (1.02倍) |
2,911 (1.04倍) |
92.3 | 97.5 |
茶色のガラス製 容器 |
372,004 | 309,857 (1.02倍) |
297,510 (1.01倍) |
2,922 (1.04倍) |
92.6 | 97.6 |
その他の色の ガラス製容器 |
197,500 | 165,011 (1.01倍) |
157,217 (1.00倍) |
2,872 (1.05倍) |
91.0 | 97.0 |
紙製容器包装 | 147,590 | 76,878 (1.33倍) |
69,508 (1.28倍) |
748 (1.42倍) |
23.7 | 27.0 |
ペットボトル | 214,209 | 211,753 (1.13倍) |
204,993 (1.12倍) |
2,891 (1.05倍) |
91.6 | 96.5 |
プラスチック製 容器包装 |
486,585 | 401,697 (1.42倍) |
384,865 (1.43倍) |
1,685 (1.29倍) |
53.4 | 59.3 |
プラスチック製 容器包装 (うち白色トレイ) |
10,214 | 4,217 (1.19倍) |
3,993 (1.23倍) |
1,013 (1.27倍) |
32.1 | 23.1 |
スチール缶 | 507,815 | 393,650 (0.94倍) |
387,875 (0.93倍) |
3,116 (1.00倍) |
98.8 | 98.5 |
アルミ缶 | 170,742 | 139,321 (0.96倍) |
137,055 (0.95倍) |
3,108 (0.99倍) |
98.5 | 98.5 |
段ボール | 641,117 | 554,309 (1.10倍) |
538,043 (1.08倍) |
2,446 (1.16倍) |
77.5 | 80.4 |
紙パック | 24,911 | 16,636 (1.06倍) |
15,742 (1.03倍) |
2,031 (1.10倍) |
64.4 | 79.0 |
合計 | 3,193,868 | 2,626,089 (1.08倍) |
2,538,016 (1.07倍) |
- | - | - |
※ 括弧内の数字は、前年度比
※ 平成16年3月末現在の全市町村数は、3,155(東京23区含む)
※【事業系】についてはPETボトルリサイクル推進協議会による調査
ペットボトルの廃棄量(生産量と分別収集量の差)の推移
ペットボトルの生産量と廃棄量の対前年比
6年度 | 7年度 | 8年度 | 9年度 | 10年度 | 11年度 | 12年度 | 13年度 | 14年度 | 15年度 | |
生産量 | 21.4% | -5.4% | 21.7% | 26.5% | 28.8% | 17.8% | 9.0% | 11.3% | 2.4% | 5.8% |
廃棄量 (市町村分別収集量のみ) |
20.8% | -6.3% | 20.3% | 17.7% | 18.7% | 9.4% | -7.5% | 1.7% | -6.9% | 0.2% |
廃棄量 (事業系含む) |
20.8% | -6.3% | 20.3% | 17.7% | 18.7% | 9.4% | -7.5% | -4.9% | -14.7% | -11.2% |
平成15年度から平成19年度までの間における分別収集実施市町村数及び分別収集見込み量
1.分別収集実施市町村数
区分 | 15年度 | 16年度 | 17年度 | 18年度 | 19年度 |
無色のガラス製容器 | 3,108 (95.9%) |
3,137 (96.8%) |
3,148 (97.1%) |
3,166 (97.7%) |
3,169 (97.8%) |
茶色のガラス製容器 | 3,109 (95.9%) |
3,138 (96.8%) |
3,149 (97.2%) |
3,167 (97.7%) |
3,169 (97.8%) |
その他の色のガラス製 容器 |
3,073 (94.8%) |
3,108 (95.9%) |
3,123 (96.4%) |
3,144 (97.0%) |
3,154 (97.3%) |
紙製容器包装 | 1,435 (44.3%) |
1,574 (48.6%) |
1,706 (52.6%) |
1,841 (56.8%) |
1,916 (59.1%) |
ペットボトル | 3,027 (93.4%) |
3,072 (94.8%) |
3,097 (95.6%) |
3,130 (96.6%) |
3,132 (96.6%) |
プラスチック製容器包装 | 2,152 (66.4%) |
2,355 (72.7%) |
2,500 (77.1%) |
2,615 (80.7%) |
2,666 (82.3%) |
うち白色トレイ | 1,510 (46.6%) |
1,604 (49.5%) |
1,712 (52.8%) |
1,792 (55.3%) |
1,815 (56.0%) |
スチール缶 | 3,223 (99.4%) |
3,226 (99.5%) |
3,226 (99.5%) |
3,226 (99.5%) |
3,226 (99.5%) |
アルミ缶 | 3,225 (99.5%) |
3,227 (99.6%) |
3,227 (99.6%) |
3,227 (99.6%) |
3,227 (99.6%) |
段ボール | 2,813 (86.8%) |
2,847 (87.8%) |
2,890 (89.2%) |
2,933 (90.5%) |
2,942 (90.8%) |
紙パック | 2,526 (77.9%) |
2,581 (79.6%) |
2,657 (82.0%) |
2,724 (84.0%) |
2,731 (84.3%) |
※平成14年4月現在 全市町村数 3,241(東京23区含む)
2.分別収集見込み量 (千トン)
区分 | 15年度 | 16年度 | 17年度 | 18年度 | 19年度 |
無色のガラス製容器 | 431 | 442 | 451 | 460 | 467 |
茶色のガラス製容器 | 372 | 381 | 387 | 395 | 401 |
その他の色のガラス製 容器 |
198 | 203 | 206 | 210 | 214 |
紙製容器包装 | 148 | 165 | 190 | 207 | 222 |
ペットボトル | 214 | 229 | 243 | 259 | 273 |
プラスチック製容器包装 | 487 | 629 | 757 | 859 | 922 |
うち白色トレイ | 10 | 13 | 14 | 17 | 18 |
スチール缶 | 508 | 516 | 522 | 529 | 535 |
アルミ缶 | 171 | 176 | 179 | 183 | 187 |
段ボール | 641 | 661 | 679 | 698 | 715 |
紙パック | 25 | 27 | 28 | 30 | 31 |
平成15年度から平成19年度までの間における再商品化見込み量(千トン)
区分 | 15年度 | 16年度 | 17年度 | 18年度 | 19年度 |
無色のガラス製容器 | 270 | 270 | 270 | 270 | 270 |
茶色のガラス製容器 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 |
その他の色のガラス製 容器 |
160 | 160 | 160 | 160 | 160 |
紙製容器包装 | 313 | 505 | 505 | 505 | 505 |
ペットボトル | 292 | 311 | 315 | 317 | 319 |
プラスチック製容器包装 | 591 | 655 | 776 | 835 | 892 |